木育「木の枝オーナメント」をつくりました~8月の花はすグリーフケアカフェ苅田~

流産や死産、中絶、新生児死など、大切なお子さまとのお別れを経験されたご家族の心に寄り添う活動をしている「花はすお話会」です。
8月の花はすグリーフケアカフェ苅田では、木育推進員のMOKUMOCO(モクモコ)さんによって「木の枝オーナメントづくり」を行いました。
今回は夏休み期間ということもあり、子どもさんにもご参加いただき、にぎやかであたたかな時間となりました。
木とふれあうことの癒し
自然は心と体を無償の愛で癒してくれます。
たとえば、森の香りをかぐ。
きれいな夕焼けを「きれいだね」と誰かと一緒に眺める。
水のおいしさに感動する。
そうした体験は、その後の人生で「ものごとの良しあしを感じる土台」になります。
そして悲しみのとき、苦しいときにも、人を支える大きな力になるのです。
美しい夕焼けをみたとき、美しいと感じる心があれば、きっとあなたは元気になれます。
MOKUMOCOさんは子どもから大人まで木を使った「原体験」を伝えています。
原体験とは、五感をフルに使って自然や人とふれあい、心に深く残る体験のことです。
今回のオーナメントづくりも、そうした原体験のひとつ。
木の香りや手触り、枝の形を工夫する楽しさ――。
それは子どもにとっても、大人にとっても心に残る体験となったはずです。
参加者の声から
「意外と時間がかかりました」
そう話してくださった方がいました。
確かに、枝を選んで、組み合わせて、飾りを考える作業は単純そうに見えて奥深く、思った以上に集中力を必要とします。
でも、その「時間がかかる」という体験こそが、心を落ち着ける時間になっていたように思います。
作品づくりに没頭することで、日常の不安や心のざわめきが自然と静かになっていく――。
まさに「木と向き合う癒しの時間」でした。
また、子どもさんも一緒に参加してくれたことで、会場は明るい笑い声や真剣な眼差しにあふれました。
「夏休みだからこそ、親子でこんな時間を過ごせてよかった」と言っていただき、とても嬉しく思いました。
枝の見え方が変わる
「公園や散歩のときに枝や木を見るときの感覚が変わる気がします」
そんな感想もいただきました。
これまで何気なく踏んでいた枝も、よく見れば美しい形をしていたり、面白い模様を持っていたりします。
一度手にとって作品に仕上げてみると、「ただの枝」ではなく「これはオーナメントに使えるかも」と今までと違った視点で見えるようになるのです。
「また枝を拾って作ってみたい」
そう言葉にしてくださった方の声からも、自然へのまなざしが変わったことを感じました。
こうした小さな変化が、日常を少し豊かにしてくれるのだと思います。

花はすグリーフケアカフェの役割
花はすグリーフケアカフェは、「話さなくてもいい時間」と「安心して話せる時間」を用意しています。
今回のような木育ワークショップは「話さなくてもいい時間」。
手を動かし、自然にふれ、作品づくりに没頭する中で心がほどけていきます。
その後のカフェタイムでは、お茶やお菓子を囲みながら、日常のことや体験のことを自然と語り合います。
語りたい人は語り、ただ聞いていたい人は耳を傾ける。
そんなゆるやかな空間が、心の回復につながります。
イギリスのおまじない「Touch Wood(タッチウッド)」
災いや悪運を避けるために、イギリスで誰もが必ずやっているおまじないがあると聞きました。
「Touch Wood」と言いながらテーブルなど木でできた物にポンポンと触れること。
由来は、森や木には良い精霊が宿っていて、人々を災いから守ってくれるという古い言い伝えがあり、
会話のなかで不吉な発言をしたりしたときに「早くタッチウッドして!!」と言われたりするらしいですよ。
とても素敵なおまじない的な言葉ですね。
昔から自然界に神様がいると言っている日本人にとっては木に精霊が宿っているという考えはしっくりきました。生活が自然界から離れている今、自然を感じられた時間となりました。
へこんだりしたときに今日作ったオーナメントに「Touch Wood」のおまじないをしようと思いました。
講師│福岡県木育推進員任意団体 MOKUMOCO(モクモコ)
Instagram:https://www.instagram.com/mokumoco2023/
MOKUMOCOさんは「木を知って、木に触れて、木でつくる」をモットーとし、福岡県北九州市や苅田町などで木育講座やワークショップなどの活動をしています。
子どもから大人まで、木を通した「原体験」を行い、木の大切さを伝えています。
木育活動によって異年齢交流、地域交流をしています。
おわりに
今回の「木の枝オーナメントづくり」は、自然の力と人とのつながりを改めて感じる時間となりました。
悲しみを抱えた方も、子育て中の方も、子どもも一緒に楽しめたことが、何より嬉しかったです。
「木は心を癒す」
そのことを改めて実感できた1日でした。
枝一本から生まれるオリジナルのオーナメントたちが素敵でした。
また別の木を用いたワークショップをしたいです。
花はすグリーフケアカフェの次回の日程
🌸第2回 花はすマルシェ🌸
・日時:2025年10月9日(木)10:00~15:00
・場所:つどいの家なないろは(苅田)
・内容:入場無料
流産や死産などの経験をしたママやその応援者たちによるマルシェ(販売、ワークショップ、体験など)
花はすお話会の活動紹介、福岡県の取り組みや他の自助グループの紹介展示、
グリーフケアやピンク&ブルーリボン活動の周知内容などの展示
誰でも参加できる地域参加型マルシェ
【 花はすグリーフケアカフェ苅田】
・日時:2025年11月13日(木)10:30~13:30
・場所:つどいの家なないろは
・内容:小さなお数珠づくりとカフェタイム
・申込:https://tol-app.jp/s/hanahasu
【花はすグリーフケアカフェ行橋】(行橋市民限定)
・日時:2025年11月20日(木)10:30~14:30
・場所:Powanハウス
・内容:パステルでつくる花曼荼羅+希望者に個別相談
・申込:https://forms.gle/HrdAicTFBMeNfq1S8