「第20回る~ぷるフェスタ」は無事に終了しました

「食べることは生きること」──安武信吾さん講演会とグリーフケアのつながり

こんにちは、花はすお話会の江藤弥生です。
2025年6月21日(土)、第20回る〜ぷるフェスタが行橋市「コスメイト行橋」で開催されました。

私は「花はすお話会」としてこのフェスタに実行委員の一人として参加し、午前中の講演会の司会も担当させていただきました。

そして、この日、何よりも心に残ったのは、講演会のゲストとしてお招きした安武信吾さんのお話でした。


はなちゃんのみそ汁──命と向き合った家族の物語

安武信吾さんは、ドキュメンタリー『はなちゃんのみそ汁』の著者であり、長年にわたって「食育」や「弁当の日」の普及に取り組まれている方です。

講演のテーマは「大切な人を亡くした後、あなたはどう生きますか?」

がん闘病中の妻・千恵さんは、いつか訪れるであろう別れの時を見据えて、当時まだ5歳だった娘・はなちゃんに毎朝一緒にみそ汁を作ることを教えました。

「食べることは生きること」
「人に作ってもらうばかりではなく、自分で自分の命をつなぐ力を育ててほしい」

千恵さんのこの強い思いが、毎朝の小さな台所で伝えられていったのです。

そして彼女が旅立った後、心がぽっかりと空いたような日々のなかで、安武さんの心を救ったのは、はなちゃんが作った一杯のみそ汁でした。

そして、当時なぜはなちゃんがみそ汁を作り続けるのか、の質問に

「お父さんが笑顔になるから」

みそ汁が安武さんの命を、心を救ったのだと感じ取れました。


会場のあちこちで流れる涙──「弁当の日」に見る希望

その後、「弁当の日」の話に移ると、会場にはまた涙があふれました。

子どもたちが、自分で食材を選び、調理し、お弁当をつくる──
それは単なる「料理」ではなく、命を感じる時間
弁当の作り手の思いやりを理解できるようになり、そして、子どもが自立する瞬間でもあります。

誰かのために、そして自分のために、手を動かしてごはんを作るということが、どれほど心と心を結びつけるか。
講演のなかでは、実際の子どもたちの様子やエピソードが紹介され、まるで目の前に情景が浮かぶようでした。
「あ~、この取り組みを、わたしたちの地域でもやってみたい」
きっと誰もが思ったことでしょう。


グリーフケアは、特別なことじゃない

講演を聞きながら改めて感じたのは、グリーフケアって特別なことではなく、日常の中にこそあるものだということです。

誰かの話を静かに聞く
誰かと一緒にごはんを食べる
誰かと笑い合う

だから、「花はすグリーフケアカフェ」ではお昼ご飯を一緒に食べることをしています。
お茶やお菓子を楽しみながら、日常的な会話をします。

「グリーフケアって難しい」という方が多くいらっしゃいます。
実はそんなごく当たり前の営みのなかで、悲しみや喪失の感情は少しずつ溶けていくのです。

私たち「花はすお話会」が大切にしているのも、まさにそういう時間です。

流産や死産、新生児死、人工妊娠中絶など、誰にも言えずに抱えがちな悲しみを、自分のペースで語り、共に感じ合う場所。
それが「花はすグリーフケアカフェ」です。


フェスタ当日は心あたたまるマルシェも開催

る〜ぷるフェスタでは、会場の外でぽかぽかマルシェも同時開催されており、多くのご家族連れで賑わっていました。

キッチンカー、ハンドメイド雑貨、癒やしのブースや鑑定など、全55のブースが集まる大イベントに、来場者の笑顔があふれていました。子ども向けの影絵・ジェスチャー・クイズなどの遊びもあり、小さなお子さんもたくさん楽しんでくれていました。


「講演会感想シェア会」にて想いを分かち合う

講演会後には「講演会感想シェア会」も開催され、ファシリテーターの潮見志保さん(けいちくトイロ)を中心に、参加者同士で感じたことやこれからに活かしたいことなどを語り合いました。

安武さんはお時間の関係上、少し早めに帰りましたが、そのあともシェア会に参加された方々とお話しました。
はなちゃんがうけたいじめの話から、参加者のお子さんがいじめを受けていたことに気づかなかった母としての負い目の告白がありました。
けれども、他の方々も口をそろえて「うちもよ-」と。
あらためて、「ひとりで抱えないこと」「ひとりじゃないよ」の大切さを実感しました

安武信吾さんのオフィシャルブログ


これからのイベントのお知らせ

今後の花はすグリーフケアカフェの日程もぜひチェックしてください。

🌸 花はすグリーフケアカフェ北九州
日時:7月8日(火)10:00~12:00
場所:北九州市立男女共同参画センター・ムーブ4階工芸室
内容:お話会&カフェタイム(無料)
申し込みフォーム

🌸 花はすグリーフケアカフェ苅田
日時:7月10日(木)10:30~13:30
場所:つどいの家 なないろは
内容:キュービックパステルアート(寄付500円)&カフェタイム
申込フォーム(freee)

🌸 花はすグリーフケアカフェ行橋(行橋市民限定)
日時:7月17日(木)10:30~14:30
場所:Powanハウス
内容:メモリアルロゼットづくり・絵本の読み聞かせ&カフェタイム(無料)
申込フォーム


おわりに

「花はすお話会」は、悲しい経験を持つ方が「今を感じてみよう」と思えるような、そんなきっかけづくりを目指しています。

グリーフ(悲嘆)は誰にでも起こりうるものです。

グリーフケアは誰か特別な人のためではなく、男女関係なく、年齢関係なく、私たちみんなのためにあるもの。

これからも、心によりそう時間をつくっていきたいと思います。
必要な方に、どうかこの想いが届きますように。

一緒に活動できる仲間も募集中です!
広報や運営に関わってみたい方は、ぜひご連絡ください。

花はすお話会スタッフ一同

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