5/22 小さなお数珠づくりを行いました(行橋）

2025年5月22日に「花はすグリーフケアカフェ行橋」で「小さなお数珠づくり」を開催しました。
今回、講師として「小さなお数珠づくり」を教えていただいた浄厳寺坊守である横尾微さんにお話を聞きました。

横尾さんはグリーフケアを学ばれていて、ご自身のお寺でも「ディスカフェ」をしたり、さまざまなイベントを通して地域の方と交流を深めています。
また、全国的に広がりを見せている「JU-ZUプロジェクト」に携わり、「小さなお数珠づくり」を行っています。

「小さなお数珠」に込めた想い

――亡き子を想い、自分と向き合うやさしい時間

「何かしてあげたかった」
これは、流産や死産、また生まれてすぐにお子さんを亡くされた方が、胸の奥で静かに感じている想いかもしれません。

先日、花はすお話会では「小さなお数珠づくり」のワークショップを行いました。
この小さなお数珠は、仏具としての役割はもちろんのこと、それ以上に“想いをかたちにする”ひとつのグリーフワークとして、多くの方の心に寄り添ってくれるものです。

小さなお数珠づくりをはじめたきっかけ

私が「小さなお数珠づくり」を知ったのは、あるお寺の坊守さんから教えていただいたのがきっかけでした。
当時、私はちょうどグリーフについて学び始めていた頃。
「自分でも作ってみたい」と素直に思ったのを今でも覚えています。

また、ちょうどその頃、お寺で手芸サークルを始めていて、ものづくりの楽しさや、手を動かすことで得られる心の落ち着きを少しずつ感じ始めていた時期でもありました。

小さなお数珠づくりの魅力

仏事といえば、お念珠は欠かせない大切なものです。
日々の生活の中ではなかなか意識することは少ないかもしれませんが、亡き人を想い、手を合わせる時間は、自分の心と向き合う貴重なひとときでもあります。

だからこそ、亡くなった子どもに思いを馳せながら、小さなお数珠を作るという時間は、ただの“作業”ではなく、自分の気持ちにそっと寄り添う特別な時間になるのではないかと感じています。

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ワークショップを通して感じたこと

今回の小さなお数珠づくりワークショップでは、予想以上に多くの方にご参加いただきました。
中には「こういうの、初めてです」と少し不安そうにされていた方もいましたが、最後には「作ってよかった」「手元に置いておきたい」と笑顔で話してくださいました。

参加された方の表情が少しずつやわらいでいくのを見るたびに、「この数珠が必要な方に、ちゃんと届いてほしい」と心から思いました。

手を動かすことが、心をつなげる

手を動かして、ものをつくること。
それは、グリーフワークのひとつのかたちでもあります。

言葉にするのが難しい想いや痛みを、何かに込めて表現することで、自分の内側にある感情と少しずつ向き合うことができる。
その“少しずつ”が大切なのだと思います。

また、ワークショップのように、皆で同じ作業をしながら過ごす時間には、不思議な安心感があります。
無理に話さなくてもいい。
沈黙があってもいい。
でも、なんとなく“つながっている”と感じられる。
そんなやさしさが、この場にはありました。

流産や死産を経験された方へ

自分自身をいたわる時間、自分自身をケアする時間をもつことは、とても大切です。
それは、自分を甘やかすことではありません。
むしろ、自分を大切にできる人こそ、他の誰かを思いやれる、そんな気がしています。

亡くなったお子さんは、きっと私たちに「いのち」について考えるきっかけをくれました。
今、生きているということは、決して当たり前ではないこと。
限りあるいのちを、私たちは今ここで生きています。

だからこそ、自分自身をどうか、やさしく大切にしてください。

これからのこと

今後は、自分のお寺である浄厳寺でも小さなお数珠づくりや、蓮紙（はすがみ）を使ったハスワークなど、グリーフサポートにつながる場を定期的に開いていけたらと考えています。

小さくても、誰かにとって意味のある時間を。
その時間をともにできる仲間を、これからも大切に育んでいきたいと思っています。

浄厳寺　坊守　横尾微

花はすお話会からのメッセージ

私たちは「お話すること」だけでなく、ワークショップや講座をとりいれています。
いきなりお話するのは誰でもすこし緊張しますよね。
だから、まずは手を動かす時間を楽しみながら、少しずつ心をゆるめてもらえたら…そんな想いで行っています。
グリーフケアは、「話すこと」が大切と言われますが、話す以外にも自分の気持ちを表現する方法はたくさんあります。
言葉にしなくても、想いがつながる時間がここにはあります。

～いつか行こうと思っていました～
花はすグリーフケアカフェはそんなふうに思ってもらえる“お守りみたいな場所”でありたいと思っています。
「話したくなったら」「行ってみようかなと思えたら」そのときに、どうぞ来てくださいね。

お会いできるのを楽しみにしています。

花はすお話会　スタッフ一同

花はすグリーフケアカフェの次回の日程

今年度は3か所予定しております。
詳細につきましては各ページおよび申込フォームよりご確認ください。

【 花はすグリーフケアカフェ苅田】
・日時：2025年6月12日（木）10：30～13：30
・場所：つどいの家なないろは
・内容：お話会とカフェタイム
・申込：https://tol-app.jp/s/hanahasu

【花はすグリーフケアカフェ行橋】（行橋市民限定）
・日時：2025年7月17日（木）10：30～14：30
・場所：Powanハウス
・内容：ワークショップ＋カフェ＋希望者に個別相談
・申込：https://forms.gle/HrdAicTFBMeNfq1S8

【花はすグリーフケアカフェ北九州】
・日時：2025年7月8日（火）10：00～12：00
・場所：北九州市立男女共同参画センター・ムーブ　4階　工芸室
・詳細：お話会とカフェタイム
・申込：https://forms.gle/ZrqDAEewWTVgSNzb7